🎯 結論(先に要点)
永住権申請の条件を網羅解説。在留10年(原則)/就労5年/素行善良/独立生計/国益要件まで、東海4県の現役行政書士がわかりやすく解説。配偶者ビザ3年ルート/高度専門職1年ルートの特例も詳述。
- 永住権を取得したいと考えている
- 自分が永住権の条件を満たしているか確認したい
- 申請にかかる時間や費用も気になっている
これから永住権の申請をする方。 「自分が永住権を取得できるか知りたい」と思っていませんか。 永住権の申請にはいくつかの厳しい条件があり、事前に理解しておくことが大切です。 この記事を書いた人
この記事では、永住権の申請条件について、初めての方でもわかりやすいように基礎から丁寧に解説します。 基本的な要件だけでなく、特例による緩和ケースや申請後の注意点まで幅広くカバーしています。 自分が永住申請できるかどうかを確認したい方や、これから準備を始めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
【施行済み】2026年10月1日から、永住申請の手数料は20万円です(出入国在留管理庁 2026年8月28日発表)
改正入管法施行令の施行により、永住許可の手数料は1万円から20万円(窓口申請)に改定されました。2026年9月30日までに受け付けられた申請は、改定前の1万円です。
在留資格変更許可・在留期間更新許可も、許可される在留期間に応じて窓口10,000円〜75,000円/オンライン10,000円〜65,000円になりました(改定前は窓口6,000円・オンライン5,500円)。
生活が困窮していて、かつ人道上の配慮が必要な場合には、手数料の減額制度があります(永住許可は2万円まで)。
さらに2027年4月には、在留期間「3年」でも申請できる特例の終了と、永住許可の取消し制度の施行が決まっています。
永住権とは?まず知っておきたい基礎知識
永住権とは、申請し、法務大臣から許可されることで、日本に無期限で住み続けることができる資格です。 通常の在留資格と異なり、在留期間の更新が不要になり、就労や転職の制限もほとんどなくなります。 そのため、生活の安定性が大きく向上し、社会的な信用も高まりやすくなります。 また、帰化とは異なり、永住権を取得しても日本国籍を得るわけではないため、国籍はそのままです。
永住権申請の要件
永住権を申請するためには、法務省が定める「要件」を満たしていることが必要です。
まず1つ目の要件は、「素行が善良であること」です。 これは法律を守って生活していることを意味します。 たとえば、過去に交通違反や軽微な犯罪があっても、内容や回数によっては審査に影響する可能性があります。 税金や年金の納付状況も評価の対象になるため、未納や滞納がないかを確認しましょう。 2つ目は、「独立した生計を維持していること」。 これは、安定した収入があり、日本で自立して生活できているかどうかが問われます。
一般的には単身者で年収300万円以上の収入が目安です。 加えて、扶養家族がいる場合、1人につき20万~30万を上乗せした収入が必要です。 そして3つ目が、「日本国の利益に適うと認められること」です。 具体的には、日本に10年以上継続して在留し、そのうち5年以上は就労資格で活動していることが求められます。 また、在留資格の更新をきちんと行い、無断で長期間出国していないかどうかも審査されます。
在留資格の期限
現在の在留資格の期限が3年又は5年であることが望ましいです。
公衆衛生上の観点から有害となる恐れがないこと
テロリストや反社会的勢力に属していないことが求められます。
条件緩和の特例
原則、10年以上は日本に在留していることが必要でした。 しかし、一定の要件を満たした人は「居住条件を緩和」されます。
- 日本人
- 永住者
- 特別永住者
の配偶者の場合、実態の伴った婚姻生活を3年以上続け、かつ日本に1年以上居住していれば条件を満たします。 また、「定住者として5年以上在留している人」も対象です。 とくに日系人や特定の背景を持つ人が該当するケースが多く、通常の10年ルールよりも早く永住を目指せます。 「難民認定を受けた人」も特例の対象です。 難民として認められた後に5年間日本に住んでいれば条件を満たします。 さらに、「高度人材ポイント制で70点以上を取得している人」は、最短で3年。 80点以上なら1年の在留で申請が可能になります。
加えて、「日本社会に特別な貢献をした人」も5年の在留で条件を満たします。 ≫参考:我が国への貢献があると認められる者への永住許可のガイドライン
【必読】条件に関する補足と注意点
永住権の申請には基本的な要件がある一方で、見落としやすい注意点も存在します。
まず、収入に関する基準です。 単純に年収が高ければよいというわけではなく、「安定して継続的な収入があるか」が重視されます。 特に扶養家族がいる場合、世帯全体の収入バランスも評価対象になります。 10年間の間で5年の就労が必要でした。
次に見逃されやすいのが、税金や社会保険料の納付状況です。
- 住民税
- 所得税
- 国民健康保険
- 年金
などをきちんと納めていない場合、永住許可が下りる可能性は極めて低くなります。
また、交通違反や軽微な法令違反も影響することがあります。 軽微な交通違反であれば、
- 直近5年で5回以内
- 直近2年で2回以内
であれば、許可される可能性が高いです。 軽微な交通違反とは、
- 免許証不携帯
- 路上駐車違反
- 一時停止違反
などです。 一方で、飲酒運転やひき逃げなど重大な交通違反の場合は5年以上は経過しないと許可は難しいでしょう。 さらに、「日常生活で公共の負担とならないこと」という要件も重要です。 生活保護を受けている場合や、公的な支援を長期間受けている場合は、申請に不利になることがあります。 最後に、「在留資格の継続性」も重要なポイントです。
- 一度帰国して長期間日本を離れてた
- 在留資格の切り替えが不適切だった
場合、通算在留年数がリセットされることもあるため注意が必要です。 具体的には、以下に該当する場合、期間がリセットされる可能性があります。
- 1回の出国で90日以上
- 1年間で100日以上
永住権のメリット・デメリット【取得前に要確認】
永住権を取得することで、日本での生活は大きく変わります。 最大のメリットは、在留期間の制限がなくなること。 通常の在留資格では数年ごとに更新手続きが必要です。
転職や副業を検討している方にとっては、大きな安心材料です。 永住者は日本国内での信用力も高く評価されるため、住宅ローンやクレジットカードの審査が通りやすくなるという声もあります。
一方で、注意すべきデメリットもあります。 たとえば、永住権を取得しても選挙権などの政治的な権利は得られません。 これは帰化との大きな違いです。
【取消事例あり】永住権が取り消されるケースとリスク
永住権は一度取得すれば永久に有効と思われがち。 しかし、一定の条件に違反した場合には取り消される可能性があります。
まず、注意すべきは、虚偽申告や偽造書類による申請です。 申請時に、
- 経歴
- 収入
- 婚姻関係
などについて虚偽の情報を提出していたことが後に発覚すると、たとえ許可された後でも、無効とされることがあります。 また、再入国許可を取得せずに長期間日本を離れた場合も、永住権の取り消しにつながることがあります。 原則として、永住者が出国後1年以内に再入国しないと、在留資格は失効します。 さらに、重大な犯罪や退去強制事由に該当する行為を行った場合も、永住権は取り消されます。
あわせて検討|帰化(日本国籍の取得)という選択肢
永住権ではなく日本国籍の取得(帰化)を選ぶ道もあります。帰化の条件もあわせてご確認ください。
📖 永住と帰化で迷っている方へ:永住権と帰化の違い|どっちを選ぶ?メリット・デメリット比較 で、必要年数・費用・選挙権などの違いを一覧で確認できます。
📖 参考(公式情報):より正確な制度の内容は、出入国在留管理庁「永住許可」(公式) もあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
永住権の申請に関しては、実際の手続きや条件に不安や疑問を感じる方が多くいらっしゃいます。 ここでは、よく寄せられる質問を取り上げ、わかりやすく解説します。
Q1. 永住権申請が不許可になるのはどんなケース?
もっとも多い理由は、
- 収入の安定性が不足している
- 税金や社会保険料の未納がある
- 素行に問題がある
と判断されたケースです。 また、申請書類の虚偽の記載も不許可の原因になります。
Q2. 収入が低めでも申請できますか?
収入が低い場合でも、配偶者の収入で生活が成り立っているなど、生活が安定している証明ができれば申請は可能です。 目安は年収300万円以上です。下回っていても許可になるケースはあります。 年収条件は個別の事情によるため、事前に専門家へ相談するのが安心です。
Q3. 永住権と帰化、どちらがよいのでしょうか?
永住権は在留資格の一種であり、日本国籍を取得する「帰化」とは異なります。 日本国籍が必要な公的職業を希望する場合は帰化が有利です。 ≫参考:帰化する10のメリット・3つのデメリット【解説】 一方、国籍を変えたくない方には永住権がおすすめです。 ≫参考:【帰化とは?】永住との違い。帰化は難しいのか。メリットも解説!
永住権申請を検討している方にお住まいの方の在留資格別 永住申請戦略ガイド
永住権申請を検討している方にお住まいの方で永住申請を考える方は、お持ちの在留資格別に最適な戦略があります。
下記から該当する詳細解説記事をご覧ください。
技人国(技術・人文知識・国際業務)の方
原則10年・就労5年の要件と、年収条件・転職時の届出義務・副業の資格外活動に注意が必要です。
高度専門職1号の方
80点で最短1年、70点で3年の特例ルートで、通常の10年要件を大幅短縮できます。
特定技能(1号・2号)の方
特定技能2号への移行+通算10年が王道ルート。製造業・介護・外食・建設・農業の業種別戦略があります。
日本人の配偶者等の方
婚姻3年+在留1年の短縮ルートが活用できます。婚姻実態の証明が審査の最重要ポイントです。
永住者の配偶者・家族滞在・定住者の方
永住者配偶者は3年ルート、定住者は5年ルート、家族滞在は本人(就労者)の永住化との連動が王道です。
経営管理ビザの方(外国人経営者・個人事業主)
役員報酬または課税所得の安定化+過去5年の決算書整備が永住申請の核心。税理士との連携が鍵です。
→ 経営管理ビザから永住権へ|外国人経営者・個人事業主の戦略
留学経験者の方(大学・大学院・専門学校卒)
留学期間も在留10年要件に通算可能。技人国・高度専門職切替で永住への計画的キャリアパスが描けます。
介護分野の方(介護福祉士・特定技能介護・EPA・技人国介護)
在留資格介護(介護福祉士)が永住申請で最も有利。特定技能1号から介護福祉士合格→介護ビザ移行が王道です。
→ 介護分野から永住権へ|介護福祉士・特定技能・EPAの戦略
医療分野(医師・看護師・薬剤師等)の方
在留資格医療または高度専門職1号(医療)での申請。博士号+専門医+高年収で80点最短1年も視野。
ITエンジニア・ソフトウェア技術者の方
高度専門職1号ロ(IT)のポイント獲得が容易な業種。修士+年収800万+N1で80点達成可能。
建設業従事者(特定技能/技人国施工管理/建設業経営者)の方
特定技能2号(建設)が永住申請に最も有利。1号5年+2号5年で通算10年達成可能。
→ 建設業から永住権へ|特定技能2号(建設)・技人国・経営管理の戦略
飲食店・外食業の方(技能ビザ調理師・特定技能外食・経営者)
技能ビザ(調理師)・飲食店経営者(経営管理)・特定技能1号(外食業)の業種別最適ルートを解説。
製造業(自動車・電子・機械)従事者の方
トヨタ・デンソー・スズキ・ヤマハ等の技人国/特定技能2号(工業製品製造業)。長期勤続+専門性で原則10年ルートが王道。
物流・貿易・運輸業の方
名古屋港・セントレア関連の物流・貿易事務・通訳業務(技人国)、または物流会社経営者(経営管理)での永住申請。
年収が不安な方(300〜400万円台)
世帯構成・配偶者収入・預貯金・推移の総合戦略で、年収不足を補える可能性があります。
一度不許可になった方
不許可理由の正確な特定と、実体面の改善+丁寧な理由書で再申請可能です。
永住権申請を検討している方の永住申請は、在留資格と世帯構成の組み合わせで最適なルートが変わります。
遠方の方は電話・メール・オンラインでの相談に対応しています。
永住と帰化の違い|どちらを選ぶべきか
永住権の取得を考える方からよくいただく質問が、「永住と帰化、どちらがいいですか?」というものです。
永住と帰化の比較表
| 項目 | 永住 | 帰化 |
|---|---|---|
| 国籍 | 母国のまま | 日本国籍に変更 |
| 在留資格 | 「永住者」 | 不要(日本人) |
| 参政権 | なし | あり |
| パスポート | 母国のパスポート | 日本のパスポート |
| 母国の国籍喪失 | なし | 母国の法律による |
| 申請要件 | 在留10年(原則)等 | 原則10年以上の住所等(2026年4月以降の運用。国籍法上は5年以上) |
| 申請窓口 | 名古屋入管 | 名古屋法務局 |
| 取り消し | あり(重大犯罪等) | 原則なし |
永住を選ぶべき方
- 母国の国籍を維持したい(家族・財産・将来の母国帰国の選択肢を残す)
- 在留期間の制限から解放されたい(更新不要)
- 帰化の言語要件(日本語の読み書き)に自信がない
- 母国の法制度で重国籍が認められない
帰化を選ぶべき方
- 完全に日本社会の一員として参政権を持ちたい
- 日本のパスポートで国際移動したい(査証免除国増)
- 母国とのつながりを希薄化することに抵抗がない
- 公務員などになりたい
永住権申請を検討している方の永住申請|申請から許可までの実際のスケジュール
永住申請の所要期間は4〜10か月と言われていますが、案件によって大きく変動します。
実際のタイムラインを月別に整理します。
申請0〜2か月: 書類受理・形式チェック
入管が書類を受理し、形式不備の有無を確認します。
不備があれば追加書類の提出を求められることが多く、2か月以内に最初の連絡が来るのが一般的です。
申請2〜4か月: 実体審査の開始
本格的な審査(年収・素行・在留歴・身元保証人)が開始されます。
この期間が最も長い審査ステージです。
申請4〜6か月: 追加資料・面談の依頼
必要に応じて、追加資料の提出や申請人本人の面談が求められることがあります。
面談は名古屋入管に直接出向く必要があります。
申請6〜10か月: 結果通知
結果ははがきで通知されます。
許可の場合は名古屋入管で在留カードを受け取ります。
不許可の場合は理由通知書が郵送されます。
スケジュール短縮のためのポイント
- 初回提出書類の精度を上げる:追加資料依頼を最小化
- 理由書を厚く:審査官の疑問を先回りで解消
- 身元保証人は身分証の写しのみ:所得証明は2022年6月から不要
- 連絡先を確実に:入管からの連絡に即対応
永住取得後の義務|届出ルールを知らないと取り消しリスク
永住者には在留期間の更新は不要ですが、一定の届出義務が課されています。
これを怠ると在留資格取消のリスクもあります。
必須の届出項目
- 住居地の変更届:転居から14日以内に市役所へ
- 在留カードの更新:有効期間内に更新申請(2026年6月14日以降に交付されたカードは交付後10回目の誕生日まで)(忘れがちなので注意)
- みなし再入国許可:1年以内の海外滞在は問題なし、超える場合は再入国許可申請
- 身分事項の変更届:氏名・国籍・生年月日の変更
在留カードの携帯義務
永住者になっても、在留カードの携帯義務は維持されます。
不携帯で警察官に求められた場合、刑事罰の対象です(20万円以下の罰金)。
1年以上の海外滞在は事前手続き必須
1年を超える海外滞在を予定する場合、再入国許可申請を出国前に行う必要があります。
申請せずに1年を超えると、永住権を失うことがあります。
万一の在留資格取消事由
永住者でも在留資格が取り消されるケースがあります。
取消事由には以下のようなケースがあります。
- 重大犯罪(1年を超える拘禁刑の実刑等)
- 虚偽申請が後で発覚した場合
- 日本での活動実体がなくなった場合(長期不在等)
取消は珍しいケースですが、永住権を取得しても日本での法令遵守は当然です。
永住申請の失敗チェックリスト|申請前に確認すべき重要項目
永住申請で不許可になる方の多くは、事前に防げる失敗を見落としています。
在留期間・在留資格のチェック
- 日本に引き続き10年以上在留しているか(原則ルート)
- うち就労資格・居住資格で5年以上か
- 現在の在留期間が3年以上か(1年は申請不可)
- 在留期限まで6か月以上あるか(余裕を持って)
- 過去に在留資格変更や不法在留歴がないか
素行善良要件のチェック
- 住民税・所得税の未納がないか
- 過去3〜5年すべて期限内納付しているか
- 国民年金・厚生年金の未納期間がないか
- 健康保険料の未納がないか
- 交通違反・刑事処分・行政処分の履歴がないか
- 在留中の届出義務(契約機関・住居地)を遵守してきたか
独立生計要件のチェック
- 世帯年収が世帯人数に対して十分か
- 過去3〜5年の年収推移が安定しているか
- 預貯金が世帯月収の3〜6か月分あるか
- 配偶者の収入合算が必要な場合の証明書類が揃っているか
- 副業収入を申告していない場合は事前に税務処理しているか
身元保証人のチェック
- 保証人は日本人または永住者か
- 保証人に身元保証書へ署名してもらえるか
- 保証人の身分証(運転免許証等)の写しをもらえるか
- 保証人の在職証明・課税証明は不要(2022年6月に簡素化)
必要書類のチェック
- 住民票(世帯全員・続柄記載)を最新で取得できるか
- 過去3〜5年の課税証明書・納税証明書すべて
- 所得税の納税証明書(その3)
- 年金記録(基礎年金番号通知書、ねんきん定期便)
- 健康保険証コピー
- 在職証明書(発行3か月以内)
- 預貯金通帳の写し(直近3か月の動き)
- パスポート全ページコピー
- 在留カード両面コピー
- 理由書(A4で2〜4枚)
- 身元保証書(保証人記入済み)
理由書のチェック
- 出会い・経歴・就労歴を時系列で書いているか
- 日本社会への貢献を具体的に書いているか
- 不許可歴がある場合は改善内容を明示しているか
- 誤字脱字・数字の不一致がないか
- A4で2〜4枚以内に収まっているか
要件セルフ診断・必要書類の集め方・理由書の書き方・身元保証人の頼み方まで、申請前に確認すべき順番で全部まとめました。

