「永住権の手数料が20万円になるって本当?」という声を、最近多くいただきます。
結論からお伝えすると、2026年10月1日から、永住許可の手数料は20万円になりました。
2026年8月28日、改正入管法施行令が官報で公布され(令和8年政令第268号、同時に施行期日を定める令和8年政令第267号も公布)、同日、出入国在留管理庁が「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」を公表しました。この施行令により、永住許可の手数料は1万円から20万円(窓口申請)へ改定されました。施行日は2026年10月1日です。
すでに申請している方にとって大切なのが、次の経過措置です。
🔑 2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月1日以降になっても1万円です
出入国在留管理庁は「令和8年9月30日までに行われた申請に対する許可については、当該申請に係る許可が令和8年10月1日以降となっても、改定前の手数料の額を納付することとなります」と明記しています。つまり金額を決めるのは許可の日ではなく、申請を受け付けてもらった日です。
永住審査には実務でおおむね6か月〜1年かかりますが、9月30日までに受け付けられていれば、許可が翌年になっても納付額は1万円のままです。10月1日以降に受け付けられた申請は20万円です。
この記事では、改定後の手数料の中身と、これから申請する方が確認したいポイントを、永住申請を専門とする解説します。
手数料はどう変わる?(改定後の金額一覧)
出入国在留管理庁が公表した改定後の金額を、現行の手数料と比べてみます。
| 手続き | 改定前(2026年9月30日までの受付) | 2026年10月1日以降 |
|---|---|---|
| 永住許可申請 | 10,000円 | 200,000円(窓口申請のみ) |
| 在留期間更新・在留資格変更 | 6,000円 (オンライン5,500円) |
許可される在留期間に応じて 窓口10,000円〜75,000円 (オンライン10,000円〜65,000円) |
永住許可は実に約20倍という、過去に例のない引き上げ幅です。
在留資格変更・在留期間更新は「許可される在留期間」で変わります
今回の改定で、更新・変更の手数料は一律ではなくなりました。
| 許可される在留期間 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
改定前は在留期間にかかわらず6,000円(オンライン5,500円)でしたので、「5年」の在留期間が出た場合は窓口で12.5倍になります。
長い在留期間ほど1年あたりの負担は軽くなる設計です(5年なら1年あたり15,000円、1年なら33,000円)。
オンライン申請は収入印紙が使えなくなります
あわせて入管法施行規則も改正され、在留申請オンラインシステムで受け付けた申請は、コンビニ決済または銀行決済での納付のみになります。
収入印紙は使えず、上記の手数料とは別に決済手数料が必要です。
窓口で受け付けた申請は、これまでどおり収入印紙で納めます。
経済的に困窮している方には減額の制度があります
改正後の入管法第67条第3項にもとづき、手数料の減額・免除の枠組みが新設されました。
減額された場合に実際に納める額は、在留資格変更・在留期間更新(3月を超える在留期間が決定される方)は1万円まで、永住許可は2万円までとされています。
ただし対象になるには、「生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に生活に困窮している」ことと「人道上の配慮を必要とする」ことの両方に該当する必要があります。
どちらか一方だけでは対象になりません。想定される類型は入管庁のガイドラインに、困窮側で4類型、人道上の配慮側で12類型が示されています。
さらに永住許可については、減額の対象になるのが「日本人、永住者または特別永住者の配偶者または子」等に限られます。困窮していれば誰でも2万円になるわけではない点にご注意ください。
また、在留申請オンラインシステムは減額措置に対応していません。減額を希望して疎明資料を出す場合は、窓口で申請する必要があります。
なお、手数料を納めるのは「許可されたとき」で、申請するだけなら費用はかからない仕組み自体は変わりません。ただし前述のとおり、いくら納めるかは申請日で決まります。
意見公募は8月2日に終了し、減額の対象者の範囲を広げる修正が加えられたうえで、8月28日に入管庁から正式な案内が出されました。
金額の一次情報は出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」でご確認いただけます。
10月1日以降に申請する方へ|20万円を無駄にしないために
2026年10月1日以降に受け付けられる申請は、永住許可の手数料が20万円です。
- 2026年9月30日までに受け付けられた申請:許可が10月以降・翌年になっても1万円
- 2026年10月1日以降に受け付けられた申請:20万円
ご家族で複数人が申請する場合は、一人ひとりに手数料がかかります。たとえば3人なら合計60万円です。
手数料を納めるのは許可されたときなので、不許可なら納付はありません。ただし不許可になると、準備にかけた時間と、次の申請までの期間を失います。
要件を満たしてから申請することが、いちばんの節約です
注意していただきたいのは、要件を満たさないままあわてて申請しても、不許可になるだけという点です。
特に近年の審査では、税金・年金・健康保険の「期限内納付」が最重要のチェックポイントになっています。
納付状況に不安がある方は、まず年金・税金の未納があると永住申請は無理?挽回手順と申請時期で、挽回の手順を確認してください。
必要書類の全体像は永住申請の必要書類 完全チェックリストにまとめています。
2027年4月には「要件」も変わります
手数料だけではありません。
永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)により、在留期間「3年」を「最長の在留期間」として扱う取り扱いは2027年3月31日で終了し、以後は原則として「5年」の在留期間が必要になります。
経過措置はありますが、条件が厳しい点に注意が必要です。2027年3月31日時点で「3年」の在留期間を持つ方は、その在留期間内に許可・不許可の「処分を受ける」場合の初回に限り、従来どおり3年で扱われます。申請を出しただけでは足りず、在留期限までに結果が出ている必要があります。永住審査には6か月〜1年かかるため、逆算した準備が欠かせません。
さらに、永住許可の取消し制度も2027年4月1日から施行されます(令和6年の入管法改正で追加された第22条の4第1項第8号・第9号)。
加えて出入国在留管理庁は2026年10月1日、永住許可に関するガイドラインを改定しました。収入(日本人世帯の平均収入を上回る水準)、年金の受給見込額、日本語能力(「日本語教育の参照枠」のB1相当以上)、学齢期の子の就学などが考慮要素として明記されています。適用は原則として2027年4月1日以降の申請からですが、収入と「公共の負担とならないこと」の2つは、2026年4月1日以降に申請して10月1日時点で審査中の申請にも適用されます。
詳しくは【2027年4月】永住権の要件が変わる|「3年でOK」特例の終了と取消し制度で解説しています。
つまり、「手数料」「在留期間の要件」「取得後のルール」の3つが、これから立て続けに厳しくなっていきます。
永住を考えている方にとって、いまは「いつか申請しよう」ではなく「いま動けるか」を真剣に検討すべきタイミングです。
Q1. すでに申請中の場合、手数料はどうなりますか?
改定前の額(永住許可なら1万円)です。
入管庁のQ&Aは「令和8年10月1日より前に申請をしていた外国人の方が同日以後に許可を受ける場合に納付していただく在留許可手数料の額は、改正前の額となります」と明記しています。
Q2. オンライン申請なら安くなりますか?
在留資格変更・在留期間更新は、オンライン申請のほうが3,000円〜10,000円安く設定されています(3月以下の在留期間のみ同額)。
一方で永住許可は窓口申請の20万円のみが示されており、オンラインの区分はありません。
なお、オンライン申請では収入印紙が使えず、コンビニ決済または銀行決済となり、別途決済手数料がかかります。
Q3. 家族もまとめて申請したほうがいいですか?
ご家族それぞれに手数料がかかるため、改定後は世帯での負担が大きく変わります。
要件を満たしているご家族がいる場合は、同時申請を含めて早めに検討する価値があります。
要件セルフ診断・在留資格別の必要書類・年金や税の証明の取り方・理由書の完成例まで、申請前に確認すべき順番でまとめました。
まとめ|2026年10月1日から永住許可の手数料は20万円
永住許可の手数料は、2026年10月1日から20万円になりました。
2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可がいつになっても1万円です。
手数料が高くなった分、要件を確実に満たしてから申請することが大切です。
要件に不安があるまま申請するのは逆効果です。
「自分はいま申請できる状態なのか」を知りたい方は、永住申請は自分でやるべき?行政書士に依頼すべき?徹底比較ガイドも参考にしてください。
※本記事は、2026年8月28日公布の「出入国管理及び難民認定法施行令及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法施行令の一部を改正する政令」(令和8年政令第268号/官報 号外第192号)の条文、出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」(2026年8月28日公表)、同Q&A、同リーフレット、および同庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」にもとづいて2026年10月3日に更新しました。最新情報は出入国在留管理庁の公式発表をご確認ください。


